ソフトクリームと牧場直売の魅力
北海道を旅すると、必ず目に入るのが「牧場直売ソフトクリーム」の看板です。牧場で搾りたての生乳を使ったソフトクリームは、一般的な市販のものとはまるで別物。ミルクの濃厚さや後味の爽やかさは、牧場ごとに個性があり、一度食べ比べをしてみたいと以前から思っていました。
今回、長沼町とその周辺を巡り、実際に3軒の牧場直売所を訪れてソフトクリームを食べ比べる企画を実行しました。その体験をレポートします。
1軒目:なめらか食感が自慢のA牧場
最初に訪れたのは、国道沿いにある小さな直売所。到着すると、牛舎の近くからミルクの甘い香りが漂ってきます。ここでは「しぼりたて生乳を低温殺菌したソフトクリーム」が売りで、早速注文。
手に取った瞬間、白さが際立ち、見るからに濃厚そう。ひと口食べると、舌の上でとろけるようになめらかで、後味が軽やか。まるで牛乳そのものを食べているかのような自然な甘みが広がりました。オーナーの方に伺うと、「朝搾ったミルクをすぐに加工しているから、鮮度が違うんです」と教えてくれました。
2軒目:コク深い濃厚さが特徴のB牧場
次に訪れたのは、丘の上にある牧場直売所。駐車場から見える景色が広大で、すでに気分が高揚します。こちらのソフトクリームは「濃厚系」で知られており、実際に受け取ってみると色合いもほんのりクリーム色。
食べてみると、ひと口目からインパクトのある濃厚さで、乳脂肪分が高いのがはっきりわかります。甘みも強めで、食べごたえ抜群。観光客というより地元のリピーターが多く訪れており、隣に座ったご夫婦が「ここのソフトが一番だね」と話していたのも印象的でした。
3軒目:さっぱり爽やかな後味のC牧場
最後に訪れたのは、地元で「後味が爽やか」と評判の牧場。ここでは牛乳の風味を引き立てるために砂糖を控えめにしているとのこと。実際に食べてみると、最初はあっさりしているのに、口の中でじんわりとコクが広がり、後味がとてもクリーン。
暑い夏の日にぴったりの一品で、ゴクゴクと飲める「飲むソフトクリーム」のような感覚でした。売店横のベンチで地元の中学生たちが部活帰りに食べている姿もあり、地域に溶け込んだ存在だと感じました。
食べ比べて感じた違い
3軒を巡ってみて改めて感じたのは、同じ「牧場直売ソフトクリーム」でも味わいが全く異なるということ。なめらかで優しいA牧場、濃厚でインパクトのあるB牧場、爽やかで軽やかなC牧場。それぞれに良さがあり、気分や季節によって食べ分けたくなる魅力があります。
個人的なベストは…?
正直、どれも甲乙つけがたいのですが、私が一番気に入ったのはC牧場のソフトクリーム。ちょうど夏の日差しの下で食べたこともあり、爽やかな後味が体に染みわたるようで、もう一つ食べたいと思える軽さが決め手でした。
ただ、友人は「やっぱりB牧場の濃厚さが忘れられない」と話しており、好みは人によって分かれると思います。
食べ比べの楽しみ方のコツ
今回体験してみて感じたのは、一度にたくさん食べると味の違いがわかりにくくなるということ。できれば1日で3軒回るのではなく、午前・昼・午後に分けて時間を空けて食べ比べるのがおすすめです。また、味だけでなく、牧場の雰囲気や接客、周囲の風景も含めて楽しむと、それぞれのソフトクリームの印象がより深まります。
まとめ
牧場直売ソフトクリームの食べ比べは、単なるスイーツ体験ではなく、その土地の自然や人との出会いを楽しむ旅そのものだと感じました。どの牧場にもオーナーのこだわりがあり、味わいにはっきりと反映されています。
長沼町や近郊を訪れる際には、ぜひ複数の牧場を巡って自分好みの一杯を見つけてみてください。きっと旅の思い出に残る、甘くて爽やかな体験になるはずです。
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